1.プロジェクトの準備

プロジェクトマネージャーに任命されたら。

プロジェクトマネージャーを任命されたら、まずなにから始めれば良いでしょうか。
まずは、今の時点でドンナ状況になっているかを確認しましょう。

プロジェクトマネージャーに任命され、うきうきとして速く取りかかりたい気持ちがあるかもしれません。
しかし、プロジェクトが成功するか、トラブルになるかは、この準備段階でほぼ見えてきます。
充分検討する時間をもらって、しっかり準備しましょう。

プロジェクトマネージャーの最初の目標は、「プロジェクト計画書」を作ることです。
最終的には、「プロジェクト計画書を完成させて、その内容でプロジェクト実行の承認を得るのですが、
まずは現状を整理するために作ってみましょう。

 

最初に、以下の項目がどの程度準備出来ているか確認しましょう。
この段階では、慌てて準備する必要がありません。 まずは何が不足しているかを確認しましょう。
メモするレベルで良いので、いったん整理しましょう。

(1) プロジェクトの内容を確認しよう。 三本柱(スコープ、コスト、スケジュール)

① スコープの確定 : プロジェクトの範囲、目的を明確にする。

任命されたプロジェクトのゴールは何かを明確にしましょう。
また、プロジェクトで担当する範囲は何処までかを明確にしましょう。

大きなプロジェクトの一部分かもしれません。 長期プロジェクトの最初の一部分かもしれません。
(よく第1フェーズ、第2フェーズとか言いますね。)

そのプロジェクトで何処まが責任範囲かを確認しましょう。
お客様から受注したプロジェクトであれば、説明すべきお客様へ何処までの範囲で責任を持って提供するか、
社内のプロジェクトであれば、説明相手は上司や経営陣かもしれませんが、同様に責任範囲を明確にして、
説明相手とプロジェクトを実行する側が、同じ意識(ゴール、範囲)をも事が重要になってきます。

また、大きなプロジェクトの一部分(子プロジェクト)の場合、他の子プロジェクトと重複したり、隙間に
落ちたようにどのプロジェクトも担当しない範囲がでたりします。
これらを調整するのは、上司だったり、親プロジェクトのプロジェクトマネージャーですが、範囲を明確にして
確実に調整が出来るように情報を提供することが重要になってきます。

② 予算(コスト)、リソースの確認 : 金額または作業する人を確認。

プロジェクトを実行する予算はいくらであるか。 プロジェクトメンバーは何人を何ヶ月間使えるのか。(○人月で表したりしますね。)
具体的に「誰」が割り当てられるか決まっているか。 を確認しましょう。

その予算についても、どの程度決定している予算か確認する必要があります。
プロジェクトの内容によっては、予算の承認を受けるところからプロジェクトの仕事になります。
すでに確保されている予算なのか、これから確保する予算なのか確認しましょう。

もう一つのリソースである 「人」 についても重要です。
よく、なんとなく上司が人が割り当てられて、プロジェクトを開始してみたら、プロジェクトに参加する時間が少なかった等、
できる人に仕事が集中することもよく聞きます。

人の手当が充分できないでプロジェクトと開始すると、非常に悲惨なことになります。
割り当てられる人と必要なスキルのGAPがあったりして、ある意味調達するのに一番時間がかかるもしくは予測できないリソースであり、
もしかしたら調達できないかもしれません。 その場合は現状調達できるリソース(人)の教育プランから考える必要があります。

③ スケジュールの確認:いつまでにやらなければいけないのか

プロジェクトのゴールの日時はいつかを確認しましょう。
ゴールの日付がどの程度重要かも確認しましょう。
ずれても問題が少ないのか、後続のプロジェクトやイベントに影響を与えてしまうのかの確認をしましょう。

ビジネスはスピード勝負の場合もあります。 できるだけ速くプロジェクトを実現すると、他社に対して優位に立てる状況であったり、
日時を絶対に動かせないイベントに間に合わせる必要があるかもしれません。
その辺りの状況をしっかりと把握しましょう。

 

(2) タスクを作ろう。 ・・・わかる範囲でできるだけ細かく。

現在の状況がわかったら、プロジェクトの準備から終了までわかる範囲で、できるだけ細かくタスク(やるべき仕事)を作りましょう。
とはいえ、まだ充分無いようも固まっていませんから、わからないところは大雑把でかまいません。
タスクもできるだけ実行する順番で作成しますが、最終的にプロジェクト計画書にまとめる段階で確定させれば良いので、今の段階では
できるだけ漏れが無いように洗い出すことを心がけましょう。
たとえば、プロジェクトの社内承認が予定の日程で確定しなかった場合など、いろいろな状況(リスク)を考えて洗い出すことが必要です。

タスクの例

① プロジェクトのタスクの洗い出し(この作業)
② 各タスクの見積もり
③ タスクの優先順位確認、決定
④ スケジュール作成
⑤ プロジェクト計画書作成開始
⑥ プロジェクト計画書の内容をユーザー部門と調整
⑦ プロジェクト計画書を上司とレビュー
⑧ プロジェクト計画書の社内承認
⑨ プロジェクト計画書修正(社内承認が1回目で認められなかった場合。)
⑩ プロジェクト計画書の社内承認② (社内承認が1回目で認められなかった場合。)
   :
   : 製造、テストなど・・・・・
   :
⑱ プロジェクトのリリース承認
⑲ プロジェクトのリリース
⑳ プロジェクトの振り返り

(...いつかテンプレート作りますね。)

(3) 見積もりをしよう

タスクの洗い出しが終わったら、各タスクの見積もりを行いましょう。
見積もりのコツとしては、できるだけ各タスクごとに余裕は取らないで、まとめて余裕を作った方が、正確にできます。

特にプロジェクト内容が確定していない段階だと、リスクがあるので余裕をもって見積もりしたくなりますが、各タスクごとに
余裕を持たせると、全体として合計したときに大きな数字になりがちです。

たとえば、設計段階で20本の設計書を書かなければならないとします。
1本あたり平均3日かかる設計書作成が20本あったと仮定すると、20本それぞれに1日の余裕をとると、合計で20日の余裕になります。
できるだけ余裕を持たせないで見積もりをして、最後に1割程度の「見直し」のタスクを入れた方が正確になることが多いです。
3日×20本=60日分+見直し6日間 等

見積もりに関しては、自分で行わないで専門家に任せる場合もあるでしょう。
システム構築の場合だと、SIベンダーに見積もりを依頼することがも多いです。
しかしながら、まったくSIベンダーに任せきりにせず、SIベンダーから提出された見積もりが正しいかの見極めができる程度の知識は
プロジェクトリーダーとして必要にはなります。

(4)プロジェクト計画書を作ってみよう

そろそろプロジェクト計画書を作ってみましょう。
プロジェクト計画書のひな形として、いかがでしょうか。

2.優先順位の確認

項番1.で三本柱が確認できたら、優先順位を考えましょう。 もしくは優先順位を確認しましょう。
プロジェクトによっては、絶対的に予算が決まっているかもしれません。 または期間が必達であるかもしれません。
スコープがすべて出来ないとプロジェクトとして意味が無いかもしれません。

プロジェクトの3本柱を達成するために、すべてそろっていれば何も問題ないのですが、多くはそうではありません。
3本柱の現状をまとめ、最終的なプロジェクトの内容を決めていきます。

たとえば、時期(期間)が必達であることが至上命令であり、人数が足りないのであれば、リソース(予算、人)を増やして対応するかもしれません。

3.社内承認プロセス

準備ができたら、社内の承認プロセスを通します。

(記載途中)

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